
世界最古の木造建築「法隆寺」と
同じ石場建て伝統構法。
失われつつあるこの日本の伝統技術を継承し
300年間愛され続ける建物をつくる。
株式会社 木造建築 東風代表取締役
佐藤 仁 さんに学ぶ
所在地奈良県御所市
社長の事業定義
木造建築業
- #古民家再生
- #御所市移住
- #石場建て
- #日本伝統構法
- #300年住宅
- #民泊
- #大工
佐藤 仁 さんの
学びのキーワード
佐藤 仁 さんのココに学びたい
- 「東風」という社名に込めた想い。
極東日本から風のように世界に広げていく素晴らしい文化。 - 素材を活かし普遍的だが美しいデザイン「構造即意匠」
流行は追わない、50年後、100年後の人が
どう思うのかを考える。 - 技術の継承には職人に仕事を提供し続けることが必要。
その仕事を作るのが自分の役割。
自分は必要な仕事を創造し続ける。
会得のヒント
木造には、一生かかっても突き詰められない奥の深さがある。
主流ではないが自身が勝負できる分野として取組む。
Movie
「大切にしている言葉」
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一つのエピソード
木造建築の世界での勝負を決意。
大学の建築学科での成績が良くなかったという佐藤。
これでは一流の建築家にはなれない、そこで考えたのが、
当時まだ科学的な研究も進んでいなかった木造建築の世界。
実は、母方の実家が先祖代々林業を営んでいたこともあり、
子供の頃から自然と親しんでいた。この分野なら勝負できるのではと二十歳で決意。
それから木造建築物の出版社を図書館で調べ、建築写真家のアシスタントになり、
そのご縁で数寄屋建築の工務店の社長と出会い、
木造建築の基礎と京風数寄屋のセオリーを教えていただく。
その後独立し、奈良県下での100年以上の古民家を100棟調査するなど、
石場建て伝統構法に魅せられていった。 -
成し遂げたこと
伝統構法と、地域活性化に、積極的な取り組み。
独立後20年で、兵庫・大阪・京都・奈良、そして遠くは岩手県や東京にも、
新築8棟、古民家再生20棟の実績を達成。
1棟建てるのに2年半はかかるという石場建て伝統構法では、年間3棟が限界だという。
本拠地を奈良県御所市に移転後は、御所地区の地域活性化にも本格的に取組み、
御所市の金剛葛城山麓農泊推進協議会にも参加。
山麓の自然豊かな大きな土地で暮らしませんかと、自社サイトで
御所市への移住に関する相談まで受け付けている。
また本社以外にもこの御所市名柄地区に自社で民泊用の本格的家屋を建築し、
御所の魅力発信の一翼を担っている。
佐藤 仁 さんの秘密に迫るキーワード
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1
会社名を考えるときの悩み。
- ● 社長の名前を冠していいものか?次世代に引き継ぐ必要がある
- ● 会社というものはOPENであるべき。社員が自分の会社と思えることが大切
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2
建築馬鹿にはなりたくない。
- ● 建築家は自身の作品を作りたがる=お客様の事を本当に考えているのか
- ● 建築だけではない、視野の広い人間になりたい
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3
多くの専属大工が奈良の人!それなら自分が奈良へ行こう。
- ● 毎日片道70kの距離をリーフで往復する
- ● この人たちとなら一生一緒に仕事がしたいと思った
- ● 一人親方ではない新しい仕組みで継承。様々な年代の大工が一緒に仕事する
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4
お客様に職人や材料の魅力を伝える翻訳家。
- ● お客様の希望を職人に伝えることで細やかな要望を実現する
- ● 口下手で実直な職人の想いをお客様に伝えることで信頼感が増す
- ● 材料である木材には個性があり、作り手次第でバラツキが出る
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5
素材にこだわる。素材を活かす。
- ● 自社で材木をストック。林業家にも使われ方のわかる仕組み
- ● 旬伐り、葉枯らし、自然乾燥、国産木材 2年間かかる。
佐藤 仁 さんの哲学
建築は社会的造形物。彫刻やアートとは違う。
その土地の風景の一部になる。
自身の寿命を超える住宅に住むことは素晴らしいこと。
日本が世界に誇る木造建築文化を代々受け継いでいって欲しい。

Profile
佐藤 仁(さとう・ひとし)
- 1970年
静岡県生まれ
- 1994年
関西大学建築学科卒
京都にある数寄屋建築専門の株式会社鈴木工務店に入社 - 2000年
サトウ都市環境デザイン設立
- 2009年
事務所名を木造建築東風に改称
- 2016年
事務所を兵庫県伊丹市より奈良県御所市に移転
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ミテモ株式会社
代表取締役
澤田 哲也さま
推薦人さまからひと言
どうすれば300年先にも愛され続ける商品をつくることができるのか?そんな壮大で浪漫あふれる問いに対して、木造建築 東風さん達は真っ向から挑む、伝統構法の職人集団です。目の前のお客様に真摯に向き合い裏表のない仕事をする。同時に200年先、300年先に家の内外に拡がる風景を思い浮かべ、風土に学び、素材を選び、先人の知恵に学びながら、時に大胆な発想を組み入れ、美しく 力強く慎ましい家を建てる。そんな東風の皆さんの考え方や姿勢について話を聞かせていただく度に、背筋が伸びる気持ちになるとともに、同じ日本人としてどこか誇らしい気持ちになります。
みちびらき・岩﨑 隆の着目ポイント!
とっても真摯にまじめに、まっすぐ考える方なんだと思います。これと決めたら曲げない芯の強さを持ちながらも、常に周囲を気遣い、優しい心で接してくださいます。日本の木造建築、伝統文化だけではなく、日本人の心を大切にし、それを世界に伝えたいとお考えなんだと思います。

こんな方にはぜひお薦めです
- 日本古来の伝統的木造建築に関心のある人石場建て、古民家再生の極意に触れる
- 地方再生、地域活性、移住促進等々に携わっている人田舎の魅力をいかに発信するかを共に考える