奥難波の160年続く和菓子の老舗は
移転を繰り返しながらも
お客様の満足と社員の幸せを
想い続けてきた。
浪芳庵 株式会社代表取締役社長
井上 文孝 さんに学ぶ
所在地大阪府大阪市
社長の事業定義
笑顔になって頂く業
- #和菓子
- #みたらし
- #奥難波
- #だんごや
- #あんこ
- #カフェ
井上 文孝 さんのココに学びたい
- 品質はお風呂の栓。
しっかり締まっていないと水(会社の想い、店の雰囲気、
商品サービス)は漏れて溜まらない。 - モノからコトへ 社員と共に研修視察体験旅行。
実際に現地に行き、空間を感じ、一消費者として体験して
初めて自分も行動できる。 - 商圏は大阪環状線の内側くらい。
「腐るお菓子」出来立てが一番うまい!
会得のヒント
いつもチャレンジしている会社、
どんどん変わっていく会社でありたい。
現状で満足しては200年続けられない。
もっと変化し、もっと進化していかないといけない。
Movie
「大切にしている言葉」
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一つのエピソード
浪芳庵と言う枠の中では自分のやりたいことができないかもと感じ、
妻と独立しようと考えることがあった。
そんなある日デパートでの催事販売の会場に老夫婦がお越しになり、
「これはあの湊町にあった浪芳さんですか?
女学校の頃よくおまんやお赤飯頂きました!」と仰った。
この一言が井上を感動させた。
「人の心に生きている浪芳庵がある、お金では買えない歴史がある、
浪芳庵を守らなくては、浪芳庵のバトンを次代に渡していこう」と決意した。 -
成し遂げたこと
条件の悪い場所への本店移転を見事に成功させた井上社長。
コロナ問題が大きな影響を及ぼす。2020年新たに2か所のお店をOPENする。
伊丹空港店(南ターミナル)と大阪福島店である。
古材を活かした上質の空間、こだわりの家具、大人がゆっくりとくつろげる
本店のイメージをより進化させた新たなる挑戦である。
またこのコロナ禍での各店の開店時間の削減を逆手に取り、
コロナ問題が終息した後も店の営業時間をこのままにしておくと言う。
社員のより働きやすい環境整備にすると共に、
お客様満足向上と収益面でもプラスになるように取組むという。
秘密に迫るキーワード
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1
コンビニでも店長が変われば店は変わる。
- ● 自分らしさ、自分のやりたいコトを一所懸命にやるべき
- ● 先代に縛られてはいけない!
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2
社員が誇りに思える本店にすべき。
- ● 奥難波と言う難しい立地。両親、社員にも反対された!
- ● 社員を路頭に迷わせないという覚悟
- ● 結果、本店がブランド創りのステージになった
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3
「大阪」「ミナミ」「なんば」という地区へのこだわり。
- ● 地元で愛される店でありたい。一番大切なお客様
- ● 梅田や伊丹空港への出店も基本は同じ地元なんばのお客様への思いから。「恩返し」
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4
今の工場長の入社で会社が一歩先へ進んだ。
- ● 仲間を増やしていく、同じ方向を向いてくれる人と一緒に仕事する
- ● ちゃんとしたものを作る。催事売りと店売りでその方向性が見えてきた
- ● ディスプレイ、見せ方も妥協はしない。妻に感謝。探求心が大切
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5
毎年新人を採用。メンター・メンティ制度。
- ● 一人の新人に二人の先輩をつける。先輩の成長にもつながる
- ● 日報もLINE活用、社内で50のLINEグループがある
井上 文孝 さんの哲学
「一代一場」
代々がそれぞれの個性を発揮する舞台を
自分で考え自分で創っていく
だんご屋であり、和菓子屋であることは忘れず、
主人が演じる主役に合った舞台を創る。
代が変われば舞台も変わる。
そして7代目にバトンを渡すことが私の使命。
Profile
井上 文孝(いのうえ・ふみたか)
- 1969年
1月31日生まれ
関西学院大学卒業後ゴンチャロフ製菓で5年間勤務 - 1997年
浪芳庵入社 専務取締役就任
- 2009年
本店、工場を現在の地に移転
- 2011年
6代目社長就任
- 2018年
本店リニューアル
カフェ「つぎね」OPEN - 2020年
伊丹空港店、福島店 新規開店
Recommend
株式会社 丸嘉
代表取締役
小畑 隆正さま
推薦人さまからひと言
(株)浪芳庵の井上社長は江戸末期の創業で現在6代目として経営されています。創業から162年経過した中、常に時代の変化に対応しながら社員さんと共に「知恵」を出しお客様にとって理想的な「おもてなし」を何より大切にしながら経営されています。お菓子作りの基本を「心」とし、商いの王道に徹する経営道に多くのことを学ばせていただいています。
みちびらき・岩﨑 隆の着目ポイント!
浪芳庵さんは160年の老舗だが、本店の場所は、難波周辺を何度も変更しないといけなかった。
またお店の出店、撤退を繰り返しておられる。でもそれがいい意味で強みとなり、今のブランドを築き上げた。「一代一場」はすごい言葉だ。
こんな方にはぜひお薦めです
- 食関連企業の見学を考える経営者品質、ブランド、パッケージ戦略も学べる
- 事業継承する若手経営者いかに継がせるか、自分の代でやるべきことが見える