廃業寸前、街の小さな印刷屋さんを
デザイン提案する企業にまで
成長させた2代目女性社長
有限会社 山添代表取締役
野村 いずみ さんに学ぶ
所在地大阪府大阪市
社長の事業定義
商品企画製造業
- #活版印刷
- #ペーパーアイテム
- #イロムラ印刷
野村 いずみ さんの
学びのキーワード
野村 いずみ さんのココに学びたい
- 時代遅れと言われた活版印刷。その可能性とデザイン経営。
- 街の印刷屋の生き残り戦略は、
「御用聞き、スピード速く、価格安く」ではなかった! - 印刷業が嫌いで恥ずかしかった2代目が
モノづくり事業を大好きになった訳。
会得のヒント
父への反発?でも気がつけば父と同じことをしている。
そして、父の遺品でもある活版印刷を
これからも残していきたい。
Movie
「大切にしている言葉」
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一つのエピソード
社員に辞めてもらい、家族だけでやれば
何とか食べていけると言う提案に反対した。阪神淡路大震災で、何十万本と言う活版用活字が床に散乱!
同業他社ではこれを機に廃業する事業者が多く出た。
野村も「これで活版印刷を辞められる」と思った。
しかし野村の父は「片づけるぞ!」と一言。
その日から毎日、父と一緒に終業後に拾い続け、半年かけて元通りにした。
ただその後も会社は赤字が続き、父は個人のお金を使ってまで社員に給与を払い続け、その額は数千万円にもなった。家族会議の結果、父は「廃業かあるいは家族だけでなら食べていける」と言ったが、野村は「お客様や仕入先、それに社員がいる。申し訳ない」と考え、「私がやる!」と思わず言った。
父への反発、そして継承。いつしか「私がやる」という責任感が芽生えていた。 -
成し遂げたこと
社長就任直後から、積極的に活動を開始。
その活躍は、様々なメディアにも取り上げられた。異業種団体やデザイン関連団体との出会いから、
2011年ECサイト「活版名刺ドットコム」を開設。
その後も、活版雑貨「Yamazoe online store」の開設、
台湾での「POP UP ASIA」出展など積極的に活動し、
NHKの「ルソンの壺」をはじめ、多くのメディアの取材を受けてきた。
2018年には、古民家長屋を改装した活版印刷体験ショップ「THE LETTER PRESS」を開店し、
モノづくりの楽しさを伝える体験型印刷工房として地域活性化の一助ともなっている。
そこには廃業した多くの同業者から譲り受けた古い印刷機や、
紙加工関連機械も設置され、今でも使うことができる。
生き方・実行力の秘訣に迫るキーワード
ECサイトでの成功
それを導いた自身の成長があった。
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1
28歳で、父との共同代表取締役。
- ● 名刺は営業担当。決算書も見たことない共同代表時代は、7期連続の赤字
- ● 「早く辞めてくれないかなあ!」今なら何とか就職もできる
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2
「今日から私が社長です。」朝礼で突然社員に宣言!
- ● 社長としての覚醒、自覚、決断、責任
- ● 初めての仕事は全社員との個人面談、給与カットの話
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3
出会いにより成長。
- ● 人との出会いで、考え方、行動を成長させていった
- ● 出会った人が紹介してくれる、新しい活動を広げることができた
-
4
新たな取り組み。
- ● デザイナーを社員として採用、そして様々な社内の取り組み
- ● 最初は50万円のサイト制作にもビビっていた!
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5
「動物的勘」で動く、この判断いつも間違いではない。
- ● 自分は多分、いい運を持っている
- ● もがきながらも、継続し、工夫し、続けているから
野村 いずみ さんの哲学
自分で発想できないことは実現しないとわかったんです。
そして、やりたいと思ったらそれを人に言う!
そうすると叶うんです。
自分でそう言うことで、アンテナがきっとその方向に向き、
いろいろ実現に向かっていく。実践するから、結果が出る。
タイミングと縁が大切だから、迷わない。
「ワクワクする」と思ったら、とにかく行動してみる。
結局、「自分で考えてやりたいことをやれば実現できるんや」って体験をしたんです。
だから「私にもできるかも?」っていう風に思えるようになり、やってみたらできたっていうのは大きいと思います。
Profile
野村 いずみ(のむら・いずみ)
大阪市城東区生まれ
短大卒業後、父の会社で働きながらグラフィックデザイン専門学校で学ぶ
- 1998年
父と2人代表となり営業を担当
- 2008年
父の引退 事業継承し一人代表取締役就任
- 2011年
ECサイト「活版名刺ドットコム」スタート
- 2018年
活版印刷体験型ショップ
「THE LETTER PRESS」オープン
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代表取締役
井上 文孝さま
推薦人さまからひと言
活版印刷を愛した美人女社長の野村さん。後継者の勉強会でご一緒したご縁ですがその美貌で、
みなさんのマドンナ的存在でした。美貌だけではなく、経営者としても注目を集めています。
デジタル化が進む現在に、印刷文化の原点でもある活版印刷。活版印刷に新たな価値を吹き込み、
あらゆる手段に挑む姿勢に、経営者として尊敬しています。
みちびらき・岩﨑 隆の着目ポイント!
自身の事を、「少し人見知りで、口下手で話すのが苦手!」と言われる野村社長。でも彼女の事業への熱い想いは、誰をも魅了し、きっといい示唆を与えてくれます。まだまだ発展途上のイケメン女子社長に魅せられてください。
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- デザインを経営に活用したい人デザインの力を感じることができるイロイロがいっぱいある。