歯ブラシの常識を変えた「MISOKA」。
ひたむきさと情熱が
世界の大ヒット商品を産んだ。

株式会社 夢職人代表取締役

辻 陽平 さんに学ぶ

所在地大阪府箕面市

社長の事業定義

付加価値創造メーカー

  • #歯ブラシ
  • #価格戦略
  • #産学連携

辻 陽平 さんのココに学びたい

  • 夢職人という社名に込めた思いとは何か。
  • どんなことでも自身の学び・勉強にできる素直さと、頑固なまでのこだわり。
  • 歯ブラシは作らない。この発想。自身のフォーカスポイントをしっかり押さえる。

会得のヒント

功は、決して偶然で生まれるものではない。
「数えきれない努力がつくる必然」の中で生み出される。

Movie

「大切にしている言葉」

  • 一つのエピソード

    「ミネラル」、何となく浮かんだキーワードで独立創業
    累計400万本のヒットは、「休日のひらめき」から生まれた。

    辻さんは、大のクルマ好き。週末、子どもたちと戯れながらクルマを洗うのが趣味だった。
    でも一生懸命にかけたワックスも、1ヶ月すればすっかり流れ落ちる。
    自分のクルマをキレイにするために使ったものが、
    どこか知らないところに流れて地球を汚すのがイヤだった。
    仕事のいつものクセが出て、つい「解決案はないか」と考えた。そして、あるアイデアがひらめいた。
    ミネラルでクルマに汚れを付かないようにコーティングできないか――。
    根拠は何もない。「ミネラルは体にいい」と、どこかで聞きかじった知識があるくらいだ。
    でもそのひらめきが、ヒット商品「MISOKA」誕生の第一歩だった。(誕生の扉を開いた)。
    辻さんは、一瞬のひらめきを、どのように製品に変えていったのか。
    何が辻さんを突き動かしたのか。その秘密を探ってみよう。 (「累計400万本」は2019年1月現在のデータです。)

  • 成し遂げたこと

    「水だけで磨く歯ブラシ」という新ジャンルを開拓。
    新たな価値を社会に提案。人気は今やヨーロッパに拡大。

    ● 歯磨き粉を付けずに磨ける「30日歯ブラシ」。
    ● 会社員時代に、オフタイムの趣味で始めた研究開発。
    ● ミネラルをナノ粒子(10億分の1m)にする技術で、特許も取得。
    ● 30日で新しいものに取替えてほしいから「MISOKA」と命名。
    ● 1本1000円。ふつうの10倍の値段であっても、飛ぶように売れる。
    ● 世界最高峰のインテリア見本市「メゾン・エ・オブジェ」(仏)に連続出展。
    「ベストスタンド賞」受賞。
    ● イギリス、フランス、ドイツ、オランダなど、ヨーロッパでも静かな人気。
    ● 10年先を見据え、歯科医院限定販売の電動歯ブラシも登場。
    ● 2015年、経済産業省が選ぶ「がんばる中小企業300社」に選定。

「MISOKA」誕生の秘密に迫るキーワード

瞬間のひらめきと探究心を大切にしながら、
誰が何をいおうとも、信じた道を突っ走る。

  • 1

    瞬間の“ひらめき”を、その場限りで終わらせない

    • ● 「ミネラルでコーティング」。最初にアイデアを思い付いたのは、自宅で愛車の手入れをしていた時。
    • ● 失敗ばかり繰り返す中、ふと思いたった調合を試してみると大成功。汚れが付きにくい配合をついに発見。
  • 2

    気になることは、気がすむまで探求する

    • ● 文系出身。理系知識は絶無。でも興味を持つとのめり込む。パソコンも自作。
    • ● ミネラルについて手当り次第に文献を読みあさり、応用例を徹底分析。次々とアイデアが湧いてきた。
  • 3

    失敗を恐れない。楽しければ、怖いものは何もない

    • ● 試作で何度失敗したか分からない。でも落ち込んだことは一度もない。むしろ楽しい。趣味みたいなもの。
    • ● 最初の試作はクルマのコーティング剤。ディーラーに売り込んだが、あえなく“撃退”。悔しさがバネに。
  • 4

    人とのつながりこそが財産だ

    • ● ネットワークを広げたいと、仕事の拠点だった東京で異業種交流会に参加。多くの経営者と知己を得た。
    • ● 35歳で脱サラ。交流会で知り合った人たちに背中を押され、会社設立。20人が協力して、1000万円が集まった。
  • 5

    いくつになっても学び続ける

    • ● 「1000円の価値」があるものにするため、重視したのはデザイン戦略。力を借りたのは外部デザイナー。
    • ● ハンドルが透明なのも、ロゴがシルバーなのも、全部理由がある。デザイナーのアイデアに、舌を巻いた。

辻 陽平 さんの哲学

夢職人を立ち上げてから10年余り。
「経営は、苦しみの連続」と辻さんは話す。
もちろん社会に対して大きな責任を負う経営者である以上、それは覚悟の上だ。
ただ、そんな中にあっても喜びや楽しみを感じとれるような仕事がしたいという思いで懸命に生きてきた。
『仕事って、みんな生きるため(食べるため)にやっている。
何も美しい言葉で飾ったり、カッコつけて斜に構える必要もない。リアルに、率直に、ありのままで生きていく。
その中にほんの少しでも喜びと楽しみが見出すことができれば、人は幸せを感じることができる。
“食べていくために、楽しく仕事している”――。
夢職人で働くスタッフ全員が、そう言ってのけるような会社になることが、私の夢であり、目標です』
常に従業員やお客さまの方を向いて経営にあたる辻さんから、学ぶことは少なくない。

Profile

辻 陽平(つじ・ようへい)

  • 1995年

    大学卒業後、素材メーカーで営業を担当。
    商品開発も手がけ、多くのヒット商品を世に送り出す。

  • 2007年

    脱サラして株式会社夢職人を創業

  • 2015年

    経済産業省「がんばる中小企業300社」に選出

株式会社 夢職人

Recommend

大阪大学歯学部
教授

仲野 和彦さま

推薦人さまからひと言

辻社長のものづくりに対するこだわりと情熱に敬服しています。
自らが開発したものに対して責任を持っている姿、社会に貢献しようと努力されている姿を見習いたいと思っています。

みちびらき・岩﨑 隆の着目ポイント!

辻社長は、独自の発想力と、常に学ぶ、勉強する、努力の人。デザイン戦略、国際戦略、広告戦略、すべてが素直な学びからたたき上げてきたからこそ、今の成功がある。常に先を見て、驚くような夢をもってチャレンジされている。ご本人に会うと、すごい熱意とインパクトを受け取っていただけると思います。

こんな方にはぜひお薦めです

  • 独立開業を考えている人起業家のあるべき姿が見えてくる
  • 新商品開発のヒントを探している人面白いきっかけを見つけることができるかも
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